環境省は4月19日、特定外来生物の「アカカミアリ」が長野県長野市青木島の住宅の屋内で衰弱した状態で1匹発見されたと発表した。羽根が抜け落ちた状態だったことから交尾後とみられ、繁殖可能な状態だったという。
アカカミアリはアメリカ南部から中南米にかけて分布する「ヒアリ」の仲間で、同省によると本州で見つかるのは初めて。刺されるとアルカロイド系の毒によって激しい痛みをともない、水疱上に腫れる。毒に対するアナフィラキシーショック(アレルギー反応)を引き起こす場合もあるという。
東京都環境局の調べによると、北米だけでも年間約1500件近く起こっているという。過去には1996年に沖縄県の基地で同種に刺された米国兵が強度のアナフィラキシーショックを引き起こした例もある。
今回、アカカミアリが発見された住宅を含め、現在のところ他の地域において同種と疑わしいアリは見つかっていない。ただ長野県は今後、県内全域に目視調査を拡大し、粘着トラップなどを設置して、警戒態勢を強めていく方針。
同県地域復興局環境課はアカカミアリの侵入経路について「現在調査中」と前置きした上で、「これまで海外のコンテナに紛れて持ち込まれたケースが多く、それも可能性の一つとして考えている」とし、今後については県や傘下の行政機関、専門家の意見を聴取するなどして調査を進めていくという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。