岩手県釜石市と楽天(東京都世田谷区)は4月4日、地域活性化の取り組みに関する連携協定を結んだ。楽天グループのサービスやメディアなどを使い、観光客の誘致を図るとともに、観光客向けにさまざまなサービスを提供し、地域経済の活性化を促す。
同市では、東日本大震災からの復興が進むなか、「オープンシティ釜石」を掲げ、2019年ラグビーW杯の招致や観光など、市外から人を呼び込む地域活性化に取り組んでいる。
今回の提携で特に力を入れるのは、「楽天ペイ」による決済サービスの導入。小型の読み取り機器を導入するだけで、簡単に実店舗でのキャッシュレス決済が可能になるというソリューションだ。現在、釜石市内の店舗は現金決済が主流で、海外からの観光客が買い物などをする際の障壁となることが予想される。クレジットカードなど決済手段をそろえることで、販売機会を増やす。商工会の加盟店やタクシーを中心に導入を進める。
訪日外国人観光客向けに、体験型の観光プログラムを提供するVoyagin(東京都渋谷区)とも提携。釜石市ならではの経験をコンテンツとしてパッケージ化し、釜石の魅力を伝えていく。また、楽天LIFULLSTAY(東京都千代田区)と民泊事業を活用した空き家の利活用や雇用創出も進めていく。個別の民泊サポートだけでなく、複数戸を連携して、イベントと組み合わせるなどして、面的な展開を進めていく。
このほか、ネット通販モール「楽天市場」やふるさと納税などで地域の名産品などの販売を進めていく。
楽天は現在、全国の自治体と提携して同社のサービスを使った地域活性化に取り組んでいる。こうした取り組みは釜石市で28事例目。決済とインバウンド対応ソリューションを包括的に提供するケースは初めてという。
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