国土交通省は3月30日、「住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会」での検証結果を公表した。委員からの意見や指摘をまとめた形。例えば、省エネ基準の適合義務化対象の拡大にあたっては、基準への適合状況だけでなく、住宅における省エネ投資の費用対効果の低さやエネルギー消費量が住まい方に大きく依存する住宅ならではの事情への留意の必要性を指摘する声を紹介。生産・審査体制、建築主などの認識、伝統的構法や地域の文化への配慮にも言及している。義務化のメリットにも触れているが、課題を指摘する声が多い。
また、適合義務化に向けての制度的な準備として、省エネ基準・省エネ計算の大幅な簡素化や共同住宅における住棟単位での省エネ基準の適用なども必要とした。
同研究会での検証にあたって、国交省は2015年度の省エネ基準への適合率を、戸建て住宅で53%、住宅全体で46%と算定。一定の規制がある住宅以外の建築物の97%と比べると低調さが目立つ。
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