ポイント2 消費税率引き上げ12年度にも
もうひとつ、消費者の建て急ぎ、駆け込み需要をあと押ししそうなのが消費税率引き上げをめぐる動きだ。
菅直人首相は、震災前から消費税率の引き上げについて本格的に議論する方針を打ち出していたが、震災後は復興財源という目的も加わり、引き上げに向けた動きが本格化している。早ければ12年度から実施される可能性もある。
政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長:菅直人首相)が6月2日までにまとめた、財源対策を含む社会保障改革案では、消費税を段階的に引き上げ、15年度に10%とする方針を明示。早ければ来年度にも2~3%の引き上げを実施する案が検討されている。
現在、検討されている消費税率引き上げが現実のものとなれば、住宅業界は、駆け込み需要とその後の反動=市場停滞という2つの大きな市場環境の変化に対応できる備えをしておかなければならない。
さらには、引き上げ時期前後の一過性の動きだけでなく、割高な新築が減少し、いまよりさらに中古住宅や賃貸住宅へと関心が移っていく可能性もある。住宅市場の構造そのものを大きく変えるインパクトを秘めている動きだ。
以上、①動き出した補助金②消費税率引き上げの2つのポイントを紹介しました。特集記事ではこのほか③エネルギー政策転換④震災対応の影響⑤新たな成長戦略――という観点からも、各種政策が住宅市場へ与える影響を解説しています。
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