新建ハウジング6月10日号では、1面から「2011年後半の住宅市場に影響を与える政策の動き」を解説しました。ポイントは①動き出した補助金②消費税率引き上げ③エネルギー政策転換④震災対応の影響⑤新たな成長戦略――の5つ。ここでは本格的にスタートした住宅関連の大型補助金と、消費税率引き上げの議論が市場におよぼす影響を紹介します。
ポイント1 補助金は締切早く短期決戦
東日本大震災の影響から、太陽光発電補助やエネファーム補助など、省エネ設備関連の設置を促す一部の補助金を除き、住宅関連の国の補助金の開始が遅れていたが、5月末時点で、中心的な住宅関連の制度はほぼ動き出した。
国土交通省関連では、「木のいえ整備促進事業」(長期優良住宅普及促進事業)や「長期優良住宅先導事業」「既存住宅流通・リフォーム推進事業」が5月中に募集を開始、経済産業省所管の事業では、環境共創イニシアチブが実施する「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業(住宅に係るもの)」が5月30日から公募を開始した。
また、低炭素機器をリースで導入する場合にリース料の一部を補助する環境省所管の補助事業「家庭・事業者向けエコリース促進事業」(実施団体:ESCO推進協議会)も6月15日から、リース事業者(指定済み)からの補助金申し込み申請を受け付ける。
長期優良住宅先導事業では、今年度から新築提案がなくなるなど、ストック活用の方向性が強化された。また「既存住宅流通・リフォーム推進事業」(昨年度:「既存住宅流通活性化等事業」)は、売買契約をともなわないリフォームに対する補助を廃止するなど、流通へとシフトしている(マンションの大規模改修に対する補助は別途新設)。
ただ、いずれの補助金も受付期間が短い。
申請の締め切りは、ほとんどが長くても夏ごろまでになっている。2回目以降の予定も示されておらず、未定だ。また、住宅エコポイントも7月末までの着手工事ということが決まっている。
例年よりも早く「駆け込み」が発生する可能性が高い。
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