大京グループ(東京都渋谷区)は、客の利便性やサービス品質の向上、業務効率化を目的として、VR技術をはじめとするICT(情報通信技術)を活用した不動産営業手法を強化している。
大京穴吹建設(東京都渋谷区)では、大規模修繕時にVRでエントランス改修イメージなどを確認できるサービスを開始。1月下旬には採用第1号となる千葉市のマンション管理組合で同サービスを用いた工事提案会を実施した。VR画像はQRコードで居住者全員に共有できるため、総会時にスムーズな意思決定が可能になる。
大京と穴吹工務店(香川県高松市)では、新築マンション竣工前にエントランス等の共有部をVRで見学できる「VRラウンジ」を開設。現在、郡山・静岡・富山・東京・広島の5物件で導入しており、富山では共用部以外に専有部やベランダからの眺望も見られるなど機能が進化している。
大京穴吹不動産(東京都渋谷区)では、中古物件の定型リフォームパターンをVRで見られるサービス「バーチャルリフォームルーム」を提供している。実際の室内写真とCGによる3種類のリフォームイメージから、購入後の内装の様子を把握することができるもの。また、大京リフォーム・デザイン(東京都渋谷区)は、居住している室内のリフォーム後のイメージをオーダーメードで作成する新サービス「バーチャルリフォーム」を提供しており、最大3種類までのCG画像を依頼から3営業日で用意する。
VR技術以外では、大京穴吹不動産と大京が、家具や小物などのコーディネートで空室を演出する“ホームステージング”にAR技術を活用。Google社の空間認識技術「Tango」を使うもので、スマートフォンを何も置かれていない部屋に向けると、画面上に家具などが映し出される。中古物件に加え、完成済みの新築マンションでも同様のサービスを開始した。
大京の「ライオンズ広島加古町」では、物件を客に案内する際、壁にタブレットをかざすとARで壁の中の様子(躯体)が見られるシステムを導入。建物が完成した後でも構造上の安全性を視覚的に確認できることから、客の安心につながるサポートとなっている。
そのほか、大京穴吹不動産では、遠隔地の不動産売買・賃貸の相談について、客の最寄り店舗からモニターを通じて現地担当者と話せる遠隔サービス「店舗間IT接客」を導入。全国74の店舗ネットワークを活かし、各地の担当者と対面同様の安心感で相談することができる。昨年解禁されたIT重説にも1月末から対応を開始している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。