既存建築ストックの活用や安全性確保、木造建築の推進などに対応した建築基準法の改正案が3月6日、閣議決定された。改正案には既存建築物の適切な維持管理や改修で建築物の安全性を確保するとともに、空き家などの商業利用、グループホームや保育所などへの転用を進めるための規制の見直しや、建築物の木造化推進のための基準の合理化などが盛り込まれている。
戸建て住宅など小規模な建物(延べ床面積200m2かつ3階以下)を福祉施設などに用途変更する場合には、利用者が迅速に避難できる措置を講ずることで、耐火建築物などにすることを不要とする。用途変更にともなって建築確認が必要となる規模の上限を100m2から200m2に見直す。また、既存不適格建築物を用途変更する場合に、段階的・計画的に現行基準に適合させていくことを可能に仕組みを導入する。
木造化の推進では、耐火構造などとすべき木造建築物の対象要件を見直し、高さ13m・軒高9m超から高さ16m超・4階以上とする。木材のあらわしなど、木材利用が可能になる基準の見直しも盛り込まれている。
安全性の確保に向けては、既存不適格建築物の所有者などに対する特定行政庁による指導や助言を行う制度を創設するほか、防火地域・準防火地域内において、延焼防止性能の高い建築物の建蔽率を10%緩和する措置を設けることなどが盛り込まれた。
※記事初出時に「建蔽率」が「遮蔽率」になっておりました。訂正しました。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。