積水化学工業住宅カンパニー(大阪市北区)の調査研究機関である住環境研究所(東京都千代田区)は2月14日、セキスイハイムに住む顧客を対象に実施した「暮らしと住まい調査」の結果から、被災経験や災害対策の実施状況などについて「自然災害編」としてまとめ概要を発表した。
住宅の耐災害性能は向上しているが、今後大きな被害が予測される大規模地震が発生した場合、住宅には耐震だけでなくインフラが復旧するまで住人の負担を軽減する機能が必要だと考えられている。同調査は、これからの耐災害住宅のあり方を考える一歩として実施された。
地震の被災経験がある人に苦労したことを聞いたところ、1位は「ガソリン・灯油の入手困難(54%)」、2位「水の入手困難(48%)」となり、エネルギー・水などのライフラインに関わることが上位をしめる結果となった。
エネルギーを自給する太陽光発電の対災害効果についてみてみると、太陽光発電を未搭載の住宅では57%の人が「ガソリン・灯油の入手」に苦労したと回答したが、搭載住宅では49%と8ポイント低くなっていることがわかった。また「停電などで自宅の電気が使えない」「寒い時期なのに、暖房機器が使えない」などについても、苦労したと回答した割合が搭載住宅では7ポイント以上低く、住まいへの「太陽光発電搭載」は地震被災後の苦労軽減につながると考えられる(下グラフ)。
住み始めた後に設置した設備について聞いたところ、地震の被災経験者は「被災経験なし」の人に比べ、「太陽光発電」の後付け設置率が9.3ポイント、大容量の貯水タンクを備えた給湯「エコキュート・電気温水器」の後付け設置率が14.3ポイント高いという結果になった(下グラフ)。
地震の被災後、平常時の生活に戻るまでの期間は、半数以上の人が「10日超」と回答するなど、他の自然災害後に比べ日数がかかっている。自家発電や住まいの電化設備は、災害経験者にライフラインが絶たれた時の対策としても支持されていることがわかった。
今回の調査から、耐災害住宅では太陽光発電、貯水型給湯器、蓄電池といったライフラインを補完する設備の設置により、機能強化を図る必要があると考えられる。
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