住友林業(東京都千代田区)は今年2月20日に会社設立70周年を迎えるにあたり、1691(元禄4)年の創業から350周年となる2041年を目標に、高さ350mの木造超高層建築物を実現する構想「W350計画」をまとめた。
同計画は、高層建築物の木造化・木質化と、街を森にかえる環境木化都市の実現を目指すもの。同社研究開発機関の筑波研究所が中心となってまとめ、建築構法、環境配慮技術、使用部材や資源となる樹木の開発など、未来技術へのロードマップと位置付ける。
実現を目指す木造超高層建築物は、木材比率9割の木鋼ハイブリッド構造。木材と鋼材を組み合わせた柱・梁の構造に鉄骨制振ブレース(筋かい)を配置するブレースチューブ構造を採用し、建物の一番外側は四周をぐるりと回るバルコニー状のデザインとする。バルコニー部分は超高層建築物でありながら新鮮な外気と豊かな自然、木漏れ日に触れられる空間を目指す。日建設計(東京都千代田区)が設計に協力する。
高層建築物を木造化することで、炭素固定量の増大と木材需要拡大も推進する。同計画の木材使用量18万5000m3は同社木造住宅の約8000棟分(構造材のみで試算)。総工費は約6000億円で、現在の技術の積上げでは従来型超高層建築物のほぼ2倍と試算する。今後技術開発をすることでコストダウンを進めて経済的にも実現性を高める。
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