一般社団法人住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会は2月7日、国土交通省の補助事業である「インスペクションによる住宅情報の活用事業」の最終報告会を行った。2015年度から2017年度までの事業期間において取り組んだ内容を発表した。4月からの改正宅建業法の全面施行や安心R住宅の運用開始等の法制度の変化により、今後、既存住宅の住宅履歴情報の蓄積・活用も増えていくとして、今回の最終報告会での情報を事業に生かしてほしいと呼び掛けた。
報告会では、住宅履歴情報分野の共通問題を検討する同協議会の「総合的検討事業」の他、環境機器、NPO住宅長期保証支援センター、JBNなどの情報サービス機関、12機関からそれぞれの採択事業の報告がなされ、3年間の成果を発表、共有した。
JBN(事業名:JBN住宅ポータルサイトの蓄積と活用及び消費者に対する見える化事業)では、住宅履歴情報の蓄積・活用促進のためには、蓄積された情報を「ユーザーが手軽に利用できることが必須」であるとし、スマホアプリ「JBNすまぽ」を開発。パソコンではなく、スマートフォン対応にしたことで、住宅所有者からは「いつでも住宅情報が見えるので利用する機会が増えた」という反応が得られたという。また本事業により、インスペクションをビジネスと捉える事業者が多くなりスキルアップや質の向上などの効果も見られた。
同協議会の齊藤広子会長によると、会員情報サービス機関が発行した共通IDを付与した住宅は2014年9月末で6万3000件余り、2017年9月末においても8万3000件余りの蓄積件数にとどまっており、そのうちのほとんどが新築住宅という。
ベターリビングの加藤正宜氏は、「住宅は個人資産であると同時に社会的な資産としても受け継がれていくべきもの。住宅履歴情報が住宅の売買時に活用できるよう目指していきたい」と話した。
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