楽天コミュニケーションズ(東京都世田谷区)は、宿泊運営代行会社向けクラウドツール「suitebook(スイートブック)」など宿泊事業ソリューションを提供するSQUEEZE(東京都港区)と共同で、民泊運営支援IoTサービス「あんしんステイIoT」を開発し、2月1日からSQUEEZEの顧客向けにサービス提供を開始する。
「あんしんステイIoT」は、民泊の法制度整備に伴う順法、運用物件の急増、宿泊者の満足度向上といった課題への対応から増加する宿泊施設の運用工数に対して、IoT技術を導入することで作業効率化を実現するもの。民泊市場の拡大が見込まれる中、宿泊施設の運用業務を専門業者にアウトソースするケースが増加する見通しに注目して開発した。
同サービスでは、宿泊施設のフロントや部屋内にタブレットを設置し、宿泊者名簿の作成・保管、テレビ電話による本人確認・宿泊者サポートを行う。SQUEEZEの「suitebook」と連携することで、宿泊予約情報を取得し、本人確認までのスムーズなプロセスを実現する。また、個人情報の取得・管理を顧客に代わって行うことで運用コストと事業リスクの低減を実現する。タブレットによるサービスは2月1日から提供開始する。価格は月額4300円~(税抜)。
また、今年7月からは、IoTゲートウェイとスマートロック、騒音センサーを使用したサービスも導入予定。その他のIoT機器による機能拡張については、需要と宿泊者のプライバシーとのバランスを考慮して検討する。両社の実証実験によると、同サービスの導入によって、宿泊事業における運用業務は約3分の1に削減できるという。
両社は2月1日、都内で会見を開催した。出席した楽天コミュニケーションズの平井康文代表取締役会長兼社長は、同サービスの需要見通しについて「少なくともサービス開始から今年度中に数千の部屋に関して獲得したいと考えている」、「『あんしんステイIoT』が当社のさらなる成長を加速する基盤になると確信している」と語った。
同社は今後、同サービスにブロックチェーン技術などの最先端技術を投入するほか、各種サービスとの連携を進めることで安心・安全な民泊運営の支援を推進する。ブロックチェーン技術を使ったRakuten KYC Platform(顧客の本人確認プラットフォーム)との連携では、楽天グループのサービスで実施した本人確認済みステータスが「あんしんステイIoT」でも再利用可能となり、同サービスでの本人確認手続きを省略できるようになる。
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