新たな需要の創造
・高齢者向け「正しいリフォームの提案」ビジネス
間違いなく、今後も、シニア人口は増えていくので、シニア向けビジネスに力を入れていきたいところです。まず、OB顧客だけでなく、地域の高齢者全体に対し、正しいリフォームサービスを提供してくれる会社は、社会にとって必要な住宅会社の姿であろうと思います。
というのも、悪質な訪問販売リフォーム業者が、残念ながらたくさんの高齢者被害を与えています。この高齢者被害を未然に防ぐ工務店の役割は重要であると思います。
・住まいの清掃サービス
住まいのお手入れは清掃からはじまると思います。この清掃ニーズは、シニア世帯のみならず、共働きのファミリー世帯でも、ことのほか大きいと思います。また、有力工務店社長から「リフォーム後のクリーニングの外注費も馬鹿にならない」という話も聞いたことがあります。思い切って内製化してしまう戦略もあり得ると思います。
・木造非住宅分野へのトライアル
CLT工法など、やったことがない分野の工事に着手するのに二の足を踏んでしまう工務店も多いのではないかと思います。「やったことがないからやらない」のではなく、次の時代の仕事をつくる!という先行投資的な発想で、木造非住宅分野に着手することも今のうちから取り組んでいいただきたいと思います。
特に高齢者施設の建築は、今後も継続して工事現場が登場するでしょう。公共建築物木材利用促進法の実践も進む中、木造非住宅分野は、「まだ誰も取り組んでいない分野」として注目していただきたいと思います。
定年により退職した人材の活躍の場をつくる
医療の発達により、平均寿命も延びて、まだまだ働くことのできる定年組の人材がたくさんいます。
定年後再雇用制度を導入している工務店も多いと思いますが、会社の新陳代謝を促進することは組織にとって重要であるので、定年制度は決して悪くない(若者に管理職のチャンスの場を積極的につくることも経営者の仕事)と思います。
この65歳以上の人材に活躍してもらいたいのが、災害復興の現場における社会貢献事業です。
例えば、地震により、住宅の手直しを余儀なくされているが、順番待ちをしているOB顧客もたくさんいます。工務店も、そういったOB顧客に手を差し伸べていきたいのですが、会社の次の経営を考えると新築市場でも頑張らざるを得ない。工務店も人材不足に悩んでいますから、人的パワーにも限界があり、結局、OB顧客はリフォームをしてもらえず、同じ地域で新しい顧客を追いかけている工務店に失望してしまう。こういった想定外の需要増にマンパワー不足により、どうしようもない事態に悩む工務店もおり、やがてOB顧客の失望というブランド価値の低下に結びついてしまうと、上記シニアビジネスなど展開できる訳がありません。
この悩みに応えることができるのが、全国に沢山存在する工務店を定年退職した営業マン・技術者であろうと思います。
社会貢献として、こういったマンパワーが集結する仕組みができ、災害復興の現場の工務店の支援ができる体制が整えば、工務店業界全体の救済につながるのではないかと思います。
「困っている人や企業の役に立つ」ための新しい取り組みを実践することはイノベーションの原点であり(電気洗濯機の普及は、主婦の苦労に企業が真剣に向き合って生まれたもの)、地域密着型工務店の弱点である災害時に生じるマンパワー不足を補うビジネスは必ずや成功するのではないか?と思います。
2020年ショックには、今から備える
予測できる近未来への対応は、今から備える体制を工務店経営者には着手していただきたいと思います。
私も法律事務所経営者として来たるべきAI時代とどのようにコラボしていくか、真剣に考えているところであり、皆さんと一緒に近未来の生産性向上の切り口を語り合えたらな、と思っています。
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