Non Brokers(大阪市、東峯一真代表)は1月29日、ホーム・インスペクション(建物診断)アプリ「Rインスペクターズ」を正式リリースした。あわせて、国土交通省登録住宅評価機関と業務提携を行い、認定インスペクターの募集も行っていく。同社は、作業に見合った役務対価型の既存住宅売買仲介を目指す。第1フェーズとして既存住宅の徹底した情報公開を目的に、インスペクションの普及を進める。
購入した既存住宅から不具合が見つかってトラブルになることは、流通の阻害要因のひとつになっている。実際に市場に出されている物件を対象に同社が実験的にインスペクションを実施したところ、10件中4件の物件で不具合が見つかったという。同社の東峯一真代表はインスペクションが市場の適正な成長のカギになると、今回のアプリ開発を進めてきた。効率的なインスペクションが行えるアプリを開発し、検査コストを削減することで料金を抑え、利用しやすくする。
具体的には、アプリを活用することで、現場でそのまま報告書が作成できるようになる。インスペクションでは、現場調査のあとに、写真整理、報告書作成などに時間がとられる。検査会社による実験的な導入では作業時間が約50%に短縮できたという。
アプリの利用料は無料。国土交通省「既存住宅状況調査-調査報告書」に準拠しており、現場で調査をするだけで、リアルタイムに報告書作成ができるため、帰社後の写真整理や報告書作成業務が不要になる。iOSに対応したアプリの他、ウェブブラウザー経由でも利用できる。
現在、アプリの提供と合わせて、インスペクションの仕事を受発注できるプラットフォームの開発を進めている。第一弾として、技研(大阪市)と提携。認定インスペクターの募集を開始した。認定インスペクターとして登録しておくだけで、近くの物件のインスペクション案件が届き、空き時間を利用して報酬を受け取ることができる。宅建業法上のインスペクションができる既存住宅状況調査技術者の登録を促していく。宅建業者は、このプラットフォームを使うことでインスペクターの手配ができる。
同社は今後、インスペクションデータを「住宅履歴」として継続更新することで、住宅の寿命と連動した正当な資産価値算出などを進めていく考えだ。
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