『新建ハウジング タブロイド版 1月30日号』
1面記事をちょっと読み!
NPO法人森と家を結ぶ会(栃木県那須町、益子重具理事長)は、独立したての若い大工に棟梁の心がまえなどを伝える「棟梁塾」を昨年5月から初めてスタートし、1月21日、8回の講義を締めくくる第1期最終講と修了式を那須塩原市内で開いた。忙しい仕事のかたわら、月1回のペースで休日を返上して同塾で学び、修了証書を手にした8人の若手大工が、技術・知識・人間性を兼ね備えた棟梁を目指し、「自ら成長しながら、弟子をとって育てたい」と力強く宣言した。
同NPOは、国産材と本物の大工技術を用いて住宅をつくる工務店を中心に製材、瓦、建材、左官、畳など住宅産業の幅広い分野の企業によって構成。理事長の益子さんは「設立から10年を経て、良質な住宅を供給する基盤が整う一方、無垢の木材を扱える本物の技術を持った大工の減少が深刻な課題」と現状を指摘、「本物の家づくりに欠かせない大工を育てられる人材(棟梁)を発掘、開発するのが当会に課せられた使命ではないかと会のメンバーで話し合った」と棟梁塾開催の理由を説明する。
第1期には、一人親方として独立後まもなく、普段はハウスメーカーやビルダーの木工事を中心に手掛ける一方、「もっと高い技術を身につけ、元請けの仕事もしていけないだろうか」とも考える20~30代の若手大工8人が参加。塾長はNPO会員の川嶋工務店(那須町)の川嶋満社長が務め、カリキュラムは川嶋さんや益子さんら7人の実行委員で構築し、運営も同メンバーで行った。塾開催の費用は、補助金などを活用せず、塾生が負担する受講料2万5000円(1人)以外は、NPOの事業費で賄い、メンバーの熱意のもと“手弁当”で運営した。
塾では、大工技術の価値や棟梁のあり方・心がまえから始まり、SNSなどを活用して「仕事を取る」実践的なテクニックも伝授した。川嶋工務店らが手掛けた住宅などを視察するバスツアーでは、本物の木の家に暮らす施主の喜びの声に触れ、塾生たちは感動していたという。
益子さんは「大工を志したにもかかわらず、自分の技術を生かす仕事がないと半ば諦め、安定して仕事をもらえる道を選び、結果的に安い単価で単なる作業員として扱われることに甘んじているケースは多い」とし、「そんな若い大工さんに大工技術の本来の価値に気づいてもらい、技術を存分に発揮できる環境があることを伝えたい」と思いを語る。1期を終えた棟梁塾は、5月から第2期を開催する。現在、塾生を募集中だ。
⇒ 続きは『新建ハウジング タブロイド版 1月30日号』4・5面に掲載!
新建ハウジング タブロイド版
<< 詳細・申し込みはこちらから >>
。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。