2 住宅産業の近未来予測~加速する業界再編~
下図は、今回の震災後から2015年までの経済政治環境、住宅産業環境がどのように変遷するのか、その経営環境変化によって住宅産業はどのような影響を受けるのか、それに対して当社はどのように適応しようとしているのかを時系列で整理したものである。
ポイント①資源インフレ時代の到来
資源インフレが加速し、燃料だけでなく、住宅資材も相当なペースで上昇することになる。
20年続いたデフレ時代が終わり、資源を中心にしたインフレ時代を迎えることになる。
ポイント②金利上昇が引き起こす業界再編
あわせて超低金利時代が終焉し、資金不足、金利上昇の局面を迎える。
日本経済全体で、震災により経営が破たんする企業が急増することが予想され、住宅会社においても資金難が深刻化し、資金を持つ企業と持たざる企業の競争力が二極化することになる。
これによって業界再編が一気に加速する。場合によっては、今後1、2年で元請住宅会社8万社の半分が廃業、倒産に追い込まれ、淘汰される可能性も否定はできない。
ポイント③新築住宅着工戸数予測
住宅市場は6月頃までは資材不足や資金不足によって極めて低調であろうが、今年末から12年にかけては復興需要が入り始めることや、公的支援が出そろうことから、2011年度通年としては新築住宅着工戸数80万戸に届く水準と予測している。
また、復興資金不足による国債発行の急増を考えると、消費税アップは不可避である。現在来年度からの実施も検討されているが、。消費税アップ前の駆け込み需要と復興需要が重なることで、2012年~13年の新築住宅着工戸数は大幅に伸びる余地がある。この点については後述したい。
第2回につづく
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