元旦ビューティ工業(神奈川県藤沢市)は1月11日、断熱性・防水性・施工性にこだわった住宅向け横葺き金属屋根「断熱ビューティルーフ2型」を発売した。住宅向け商品を強化する「転換点」であるとして、販売ルートを拡大。これまでは約8000人の職人ネットワーク「全国元旦会」のみを対象にしてきたが、今回の新商品はだれでもオープンに購入・施工することができる。
従来商品の「断熱ビューティルーフ」を大幅に改良。構成部材は、屋根材本体、断熱バックアップ材、継手捨て板の3アイテム。
断熱性のカギをにぎる断熱バックアップ材には、発泡倍率40倍・耐熱グレードのEPS(ビース法ポリスチレンフォーム)を使用。表面には凹凸加工をほどこした。
「この断熱バックアップ材を先行してすべて施工したうえで、屋根材を葺けるのが大きな特徴」と同社・加藤誠悟常務はいう。「通常、野地板の施工後は一刻も早く防水性を確保したいが、ルーフィング材単独ではそこまでの機能は期待できない。だが、断熱バックアップ材は、それ自体が屋根材の1つとして防水性能をもち、雨養生ができるので、屋根業者が入るまでに2〜3日空いても雨水浸入のリスクを防げる。しかも、表面がザラザラとしているため眩しくならず、近隣迷惑にもなりにくい」。
熱貫流率は1.058W/(m2・K)。同社の試算によれば、屋根面付近温度80度、室内温度27度に設定した場合の室内側の表面温度は32度。スレート屋根よりも16度、和瓦よりも10度低く抑えることができるという。
本体の構造を見直し、ハゼ内に入る固定用部品の「吊子」をなくした。従来だと吊子部分が空洞となるため、歩行や積雪でハゼがつぶれるリスクがあった。新商品はハゼの奥まで隙間なく断熱バックアップ材が入るため、踏んでもつぶれる心配がなく、雨音も抑制できる。
また、吊子をなくしたことで、施工も簡略化。従来採用してきた吊子式工法は熟練の技やハサミなどの道具が必要だったが、あいじゃくり加工により屋根材の一部を重ね合わせて直留めする方法に変更。これにより、施工にかかる部材点数を減らし、工期短縮とコストダウンを実現する。リフォームにも対応し、既存屋根がスレートやコロニアルならカバー工法で改修することができる。
本体板厚は扱いやすい0.5mm。有効幅は250mm、長さは2275・4095mm。対応勾配は2寸以上。外壁材としても使用でき、この場合は縦横どちらにも対応する。2017年に発売した「元旦内樋」とセットで販売する。
断熱バックアップ材。表面に凹凸があり、雨水を効率よく排出。
垂木ピッチでビスガイド用の印がついており、しっかりねらえる。
本体は、両端の凹凸を噛み合わせる「柵(しがらみ)ジョイント」が特徴。カバーレス形状のため、すっきり仕上がる。
断面はあいじゃくり形状になっている。ハゼ内部まで断熱材が入るため、職人が上を歩いたり、積雪してもつぶれにくい。雨音も静か。
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