一般社団法人工務店フォーラム(東京都品川区)は、三菱商事建材と協働し、会員工務店向けにパネル化による高精度な構造躯体の実現を支援する事業を開始する。第三者の技術者のチェックを受けた設計図書に基づいて三菱商事建材が「パネル割り」し、全国の協力プレカット事業者などを通して、会員工務店に供給する。工務店フォーラムは、正確な設計図書を作成できるように会員工務店向けに構造設計に関する研修を強化する。
工務店フォーラムは、工務店の技術力・経営力の向上を目的に、インターネットを通じた教育コンテンツ事業を展開してきた。すでに100を超える講座で約300コマのコンテンツを提供している。会員工務店は設計から営業、経営まで事業に必要なノウハウなどを同フォーラムのウェブサイト上にある動画などで、学ぶことができる。
今回、始める「高品位構造躯体支援事業」は、三菱商事建材によるパネル受託加工サービスを活用したもの。同サービスは、プレカット工場で構造躯体にサッシや防水シート、断熱材まで一体化して現場へ運び込み、クレーンを使って現場で組み立てるもの。設計・建て方は元請け事業者が行うが、工場加工のため設計図書(伏図)の精度が求められる。また、年間で一定の仕事量が必要になる。
今回、同フォーラムが、工務店向けに建て方研修や伏図研修を行い、発注を取りまとめることで実現した。同フォーラムの講座で講師も務める鈴木強氏(益田建設技術設計部長)が伏図のチェックを行うことで、設計図書の精度を担保する。
また、地震時の木造住宅の動きをシミュレーションできるプログラム「ウォールスタット」を使った躯体性能の見える化により、顧客に訴求できるようにする。2月末には、「ウォールスタット」の倒壊シミュレーション動画などを体験することができる耐震研究所を埼玉県にオープンする予定。事業者や生活者向けに、耐震性能の重要性の啓発も行っていく。
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