自然エネルギーを徹底活用する建築と住まい方を実現する「パッシブデザイン」を推進する「パッシブデザイン協議会」が正式発足する。会長は建築家の野沢正光氏(野沢正光建築工房・武蔵野美術大学客員教授)。事務局は㈱ビルダーズシステム研究所内に置き(TEL03・5408・6033)、同社代表の鵜澤泰功氏が事務局長を務める。
住宅建築関連企業にとどまらず林業・木材関連企業、エネルギー関連企業などパッシブに関わる様々な企業そして個人に参加を呼び掛け、「産業ミックス」(異業種連携)によって東日本震災後の新しい建築・暮らし・エネルギーの提案と啓発を行う。
第一弾事業として「パッシブデザインコンペ」を開催、7月13日に公開審査を行い受賞作品を発表する
東日本大震災以降、エネルギー多消費型の産業構造やライフスタイルの見直しが急務となり、自然エネルギーを最大限活用しながら省エネで快適な建築・暮らしを実現する「パッシブデザイン」の存在意義・価値が高まっている。今こそこの考え方と実践を広げていくべきときと判断、パッシブデザインの普及に取り組む有志で協議会を設立することにした。
パッシブデザインに取り組む住宅建築産業、そして林業・木材産業、エネルギー産業などが連携を図り、恊働で普及啓発を図るほか、新しいビジネスモデルの構築を進める。
協議会の会員には法人会員と個人会員がある。
法人会員は企業として参加し恊働で普及・啓発にあたるほか、法人会員同士でビジネスとしてコラボレーションを進め、パッシブデザインの普及・実践のほか、太陽光と太陽熱の融合、太陽光の新たなモデル・市場の創出などに挑む。会費は年間6万3000円。
法人会員としては現在旭化成ホームズ㈱、OMソーラー㈱、㈱四季工房+エアパスグループ、日本モーゲージサービス㈱が参加、他にも住宅ネットワークや資材メーカーなどが参加を表明している。現在参加法人を募集中だ。法人会員の中から1年交代で代表企業を選出、初年度はOMソーラーが務める。
個人会員は企業のスタッフや建築家、さらには住まい手などパッシブデザインに関心があれば誰でも無料で参加できる。個人会員にはフェイスブックやツイッターなどのウェブを通じてパッシブな建築・暮らしに関する情報を提供するほか、セミナーなども開催する計画だ。
第一弾事業として実施した「パッシブデザインコンペ」では、「開く・繋がる・応答するかたち」をテーマにパッシブデザインに配慮した戸建住宅(リフォーム含む)の事例、および計画案を募集した(主催:パッシブデザインコンペ実行委員会)。
野沢正光氏を審査委員長に、小林光(前環境省事務次官)、清家剛(東京大学准教授)、中野淳太(東海大学専任講師)、中村好文(建築家・日本大学教授)、難波和彦(建築家・東京大学名誉教授)、涌井史郎(造園家・東京都市大学教授)の各氏が審査員を務める。
500社がエントリーし、250を超える応募があった(現在受け付けは締め切り)。7月13日午後に東京港区のホテルオークラ東京で公開審査と審査員によるシンポジウムを開催する。
パッシブデザインの啓発を図ってきた本紙も趣旨に賛同、協議会に参加し活動をバックアップしていく。
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