『新建ハウジング タブロイド版 1月20日号』
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家づくりを本業とする地域工務店と地場の不動産会社らが互いの強みを生かしてネットワークを組み、中古住宅のリノベーションを通じて地域活性化を目指す活動が各地で進んでいる。長野県内で活動する「信州中古住宅流通ネットワーク(NEX-T)」の代表を務める小林創建(松本市)社長の小林稔政さんは、新築が減少している現状を踏まえながら、「空き家対策や中古住宅の流通促進といった社会や地域に対する貢献も視野に1000万円以上の大型のリノベの受注を積極的に増やしていきたい」と抱負を語る。
同ネットワークでは2月10日、東京・銀座で、長野県への移住を希望する首都圏の人たちに対して、自然あふれる信州での豊かな暮らし方や、お金をあまりかけずに住み心地のよい住宅を手に入れる空き家のリノベーションを提案するイベントを計画。移住促進と空き家活用を結び付けた活動を主体的に展開していく。
ネットワークは2013年に設立。工務店等の自主的な勉強会組織として始めたが、現在は不動産会社や、不動産鑑定士、地元の金融機関など14社が集まり、中古住宅リノベのワンストップサービスを提供できる組織になっている。
今年度は長野県で、実際に不動産ビジネスをしている宅建業者の半数が加入しているという地域密着の不動産プラットフォームを活用し、物件ごとに「耐震性能」や「断熱性能」、「シロアリ対策」など住宅診断の内容や瑕疵保険の有無、パース図を掲載、WEB上で予算額を含むリノベーションの提案を行っている。中古住宅の購入を検討する人が使いやすいサイトへの拡充を目指す。並行してインスペクションをした「検査済住宅」と性能が高い住宅と独自に認定した「良質住宅」という2種類の商標登録制度も運営する計画だ。
ネットワーク事務局の丸山淳二さんは「空き家対策や中古住宅の流通促進は行政と宅建業者だけでは解決できない。地域の工務店やWEB制作会社などが知恵を出し合える民間(企業)のネットワーク化が課題解決への近道」と説明する。
2月10日の説明会では、「田舎暮らし」に興味を持つ人たちに松本市内の中古住宅10物件のリノベを含めて提案する。総務省の「平成28年度における移住相談に関する調査結果」によると、長野県は移住したい県のナンバーワン。自治体とともに民間組織が積極的に県外移住者受け入れ活動をしていることも選ばれた理由の一つとされていて、丸山さんは同ネットワークの活動も一助になればと考える。
同ネットワークの活動は2016・17年度、国土交通省「住宅ストック維持・向上促進事業」の採択を受けている。
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