一般社団法人リノベーション住宅推進協議会(東京都渋谷区)は、2017年を代表するリノベーション事例を選ぶ「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2017」の授賞式および講評会を、東京大学本郷キャンパス内にて開催した。
同コンテストは、施工費に「500万円未満部門」「1000万円未満部門」「1000万円以上部門」「無差別級部門」の4部門を設定。一次審査はSNSを活用して一般ユーザーの声を取り入れて行われ、計155作品の中から53作品をノミネート選出した。住宅媒体編集者9名による最終審査で、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞4点、審査員特別賞8点を決定した。審査委員長は島原万丈氏。
総合グランプリは、アートアンドクラフト(大阪市)の「扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ」が受賞。1958年に建設された「新桜川ビル」を、高いリノベーションスキルによってクリエイター向けのアトリエ兼住居に再生。特徴的な扇状の外観が魅力の、桜川のランドマークとして生まれ変わらせた(写真上)。
部門別最優秀作品賞を受賞した「500万円未満部門」のシンプルハウス(大阪市)「ツカズハナレズ」と、「1000万円未満部門」オクタ(さいたま市)の「マンションでスキップフロアを実現 ~上下階を利用したヴィンテージハウス~」は、新築に対するリノベーションの優位性を市場にアピールする時に、空間の斬新さや自由さという点で、象徴的な事例になると評価された。
「1000万円以上部門」のYKKAP(東京都千代田区)「光、空気、気配、景色。すべてが一つにつながる-代沢の家」は、階段の左右にスキップフロア的に床を配置した空間構成と、設備メーカーの製品を使って建物の性能を向上させている点が高く評価された。
「無差別級部門」では、タムタムデザイン(福岡県北九州市)の「流通リノベとシニア団地」が受賞。「林地残材」「木材流通」「高齢化する団地のコミュニティ」「デイサービスのあり方」など、多くの課題に1つのリノベーション・プロジェクトで解決策を提案している。
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