「暮らしの提案が大事」「これからはコト売り」が必要」と言われて久しいですが、まだまだ住宅業界ではそれらが浸透しているようには見えません。特に「暮らし」の実態と変化についてはあの手この手で探る必要があり、それをベースにしながら、さらに豊かで楽しい暮らしの実現に向けた提案を考える必要があります。そこで新建ハウジングでは、今後「住まい×暮らし」(漠としていますが)の分野に注力、いろいろな角度から考えていきたいと思っています。ここでは新建ハウジングプラスワン2011年2月号の特集から「コト売り」に関して解説した記事を抜粋しました(編集部)
コト売り=感性価値の提供
買っているのは「なりたい未来の私」
日本の経済成長期は、モノが、特にいいモノがまだまだ少なかったので、それを持つことが喜びでありステータスでした。その頂点がバブル時代ですね。
でも、これから家を持とうする若年層は親が買ったモノに囲まれて育ったので、モノを持つこと自体にはそれほど喜びを感じない。これが、若年層があまりモノを買わなくなった一因です。
逆に、若年層は「なりたい自分」になれそうなものならば、「自分の幸せにつながる」ものならば、価値を認め、お金を使う傾向があります。つまり、モノではなくて「なりたい未来の私」を買っていると言ってもいい。
企業の側からすると、見込み客に「なりたい未来の私」をイメージさせることができなければ、関心を引くことも難しいということです。できるとすれば、デフレのニーズを満たす「安売り」「ローコスト」ぐらい。
だからこそ、「なりたい未来の私」をイメージさせる「コト売り」が必要だということです。
ですから、つくり手にとっての「コト売り」とは、自社で家を建てたりリフォームすれば「なりたい自分」になれる、もしくは「幸せ」になれることを、見込み客にイメージさせることです。
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