LIXIL(東京都千代田区)は、玄関ドアや窓シャッターといった建材、家電、照明、デジタル機器をインターネットでつなげることで、暮らしをより便利で安全なものにする「住まいのIoTリンクシステム」を開発。2018年4月にも建材とAIスピーカーを連携させた商品を発売する。
従来のホームシステムは、HEMSで宅内の家電操作やエネルギーマネジメントを行い、セキュリティシステムで防犯・見守りを行うといったように、市場をけん引する担い手もサービスも別々だった。
新システムは、それらを融合。家電・建材・住設を操作・連携する「ホームコントローラ」、各種センサ・カメラ・AIスピーカーを操作・連携する「リンクコントローラ」、ルーターの3つの機器により、住まいや暮らしに関連するモノをトータルで連携させる。
なかでも、建材とAIスピーカーを連携させるシステムは国内初の試みだという。たとえば、起床時にAIスピーカーに「おはよう」と呼びかければ照明、エアコン、窓シャッターが自動でオンに。出かけるときに「いってきます」と呼びかければ、それらが自動でオフになる。
生活者は、何をきっかけ(トリガー)にどんな動作(アクション)につなげるのかというルールを自由につくって組み合わせることができる。
AIスピーカーを通さなくても、玄関ドアを開け閉めするといった日常の動作や、センサが感知した温度・人感をトリガーにしてアクションを起こせる。たとえば、「子どもが帰宅したら(玄関ドアが開閉したら)、カメラが作動し、その映像を親のスマホにメールする」のも可能だ。
さらに、このシステムをZEHと組み合わせることで、住まいの快適性をIoTでコントロールすることも可能になるという。
来春のシステム発売時点における対応建材は玄関ドアと窓シャッターで、順次広げていく考え。また、さまざまな企業との連携も図る。
「まだアイデア段階だが、将来的には入浴中の死亡事故を防いだり、自宅のトイレで健康チェックができるようにするなど、生活のなかで必要とされるものを優先的に考えて商品化していきたい」(LIXIL Housing Technology ZEH推進事業部長・野澤徳則氏)とする。
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