建築と不動産の融合で新たな需要に応える
現状の設備・内を残したいという要望に応じた値引き額も定額化。顧客にとっても価格検討がしやすく、社内でも見積もり手間を大幅に
削減する。
水周り設備選びには各メーカーのショールームを活用。あらかじめパッケージ商品を把握したショールームスタッフが施主の相談に応じ、結果を同社にフィードバックしてくれる。
社内には施工技能者として山田社長、現場監督のほかに多能工施工者1人を採用。大工工事、内装張り替え、電気工事、設備取替えをこなし、外注に依頼するまでもない細かな作業に対応する。
こうして材料の統一、見積もりの標準化、多能工の活用、営業経費の削減などでコストを圧縮することで「某大手の一棟まるごとリフォーム」よりもコスト競争力を高める。
今のところ、「空き家購入+リノベーション」を選ぶのは若い世帯。決め手となるのは、良好な立地条件と手ごろな価格。「立地条件の希望があるお客さんの成約率が高い」(山田さん)特徴がある。
現状では中古住宅を購入する世帯は、必要最小限のリフォームをして住まうという形態が多い。
同社の実績では、顧客がリフォームにかける費用は1棟200万円〜300万円程度。同社としても「こだわりのある顧客の高額リフォームは打ち合わせに時間がかかる。そんな顧客はまだ対応できない」と500万円以上のリフォーム受注はあえて避けている状況だという。
「最初は新築で相談に来られるが、最後は何が得かに尽きる」と山田さんは中古市場に広がりをもちはじめた近年の流れを実感する。
「不動産仲介ができるようになって、顧客に提案できるメニューが格段に広がった」。今では社内に「空き家リノベーション」受注の流れができつつある。
こうした実績は、従来の賃貸の原状回復サービスも生きる。「いまはリフォームしても入居者が見つからない状況で、建築の知識をもった事業者が求められている」と、空き家リノベーションに踏み出した同社の活動領域は大きく広がる。
[以降の記事は新建ハウジング2011年5月20日号でお読みいただけます]
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