今後一層重要度を高めるリフォーム(リノベーション)、中古住宅市場。新建ハウジングではそんな市場を「R(アール)市場」と呼び、その活性化をバックアップし、つくり手がそのビジネスチャンスをつかむ方法を提案していきます。ここでは、新建ハウジング2011年5月20日号から、中古住宅+リノベーションの市場に挑むインテックジャパン(千葉県八街市)の取り組みを紹介します(編集部)。
空家リフォームと自宅リフォームを両立
「好立地で価格も手ごろ」と新築需要を切り崩し
インテックジャパン[千葉県]
「ここにきて徐々に受注が伸びてきた」と声を弾ませるのは、インテックジャパン(千葉県八街市)代表の山田武史さん(40)。
2001年にリフォーム業として会社を設立して以来、法人・個人の賃貸物件オーナー向けに行ってきた原状回復リフォームを多数経験。このなかで内装リフォームをパッケージ化するシステムを確立。このノウハウを活かして「空き家リノベーション」の分野に08年から参入した。
現在は月十数件の空き家リノベーションを受注し、この事業で年間売上高1億円を上回るペース。クチコミをベースに徐々に実績を伸ばしている。
リフォームからリノベへ
山田さんは自動車メーカーの整備担当者として9年間勤めた後、「自ら事業を興そう」といわゆる脱サラを決意。2001年にリフォーム会社を設立した。
設立当初は「とにかく実績をつくろう」と地元の賃貸管理会社をまわり、賃貸物件の原状回復の仕事をこなしてきた。
転機となったのは、都内で中古マンションのリノベーション・再販を手掛ける会社の施工下請けを経験したこと。マンションをスケルトン状態まで解体し、インフィル部を施工するという仕事を経験するなかで「自社でもできる」と自信をつけた。
以来、地元の不動産業者とのつながりを生かし、2008年に山田さん自身で宅地建物取引業者の資格を取得。新たに社内に不動産事業部を設立した。
これにより従来のリフォーム施工部隊を不動産業と融合。個人・法人の賃貸オーナー向けの原状回復工事から、個人向けの自宅リフォーム、さら空き家物件のリノベーション販売まで幅を広げる。
新築より手ごろで需要
山田さんの強みは、リフォーム業と不動産業の融合。
不動産業者として空き家物件の情報をもちながら、リフォーム業者として購入後のリフォームの仕様やコストまでを提案。新築購入を検討する消費者が具体的な比較ができる。
もうひとつの特徴は、賃貸物件の原状回復で培ったリフォームパッケージによる販売形態。賃貸の原状回復で使うパッケージシステムを、個人向けに仕様をグレードアップしてそのまま使用している。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が認定する「木造住宅耐震診断士」に山田さん自ら資格を取得。リフォーム物件はすべて耐震診断と補強を行ったうえで、壁・床・天井の内装、水周りのキッチン・バス・トイレ、室内外建具をすべて含め、延べ床面積ごとに定額化。そこから断熱化・オール電化・防犯・バリアフリー・ペット共生などのオプションを用意する。
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