一般社団法人日本第三者住宅品質検査技術者認定機構(JAQUA、東京都立川市)がこのほど、全国に8支局(北海道・岩手・宮城・茨城・静岡・岐阜・京都・愛媛)を開設、1月には秋田・福島・新潟・兵庫・福岡の5県にも拠点を広げ、全国的組織として本格始動する。
JAQUAは、住宅品質検査により施工品質基準をクリアした住宅を公平に審査・監修・認証する、いわば住宅品質検査会社のチェック機能を果たす機関として、2017年7月に設立された。
JAQUAが第三者検査の審査・監修を完了した住宅には、認定証が発行され、全ての検査内容をまとめた「住宅品質検査報告書」と一緒に施主に提供される。報告書には10項目の検査項目ごとに工事中の検査箇所を詳細に記載し、問題があった箇所については赤字で指摘事項を記し、それに対する改善内容が明記される。各検査結果はその都度web上でも確認することができる。
平松一広代表理事によると、ある住宅会社では、クレームによる手直し工事が年間に約4000万円発生しているという。「きちんとした検査を行い、それを見える化した詳細なデータを残すことで、このような手直し工事もクレームも防ぐことができる。さらに住宅事業者、検査会社、JAQUAのトリプル検査により住宅の資産価値が高まり、住宅事業者、施主の双方の安心に寄与できる」と話し、新築時の施工品質の維持・向上のための検査はもちろん、その検査ミスや検査会社の万が一の倒産リスクにも備えた3重の検査体制の必要性を訴える。
また、施工監理や点検など住宅の品質管理技能者を養成する教育活動にも力を入れ、全国的な技術者の底上げも同時に図っていく方針。
JAQUAは今後、全国の住宅品質検査会社の審査・監修・認証機関として、支局をすべての都道府県に配置し活動していく考えだ。
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