第8回のチェックポイント
● クレームになるリスク、一つのクレームのリスクが大きくなっていることに対応できていますか?
▢ 多くの人・技術が介在するものづくり企業である工務店。経営者に必要なのは目先の利益にとらわれず本当の信頼を届ける決意と覚悟
▢ マネジメントこそが根本的なクレーム防止の手段。実務者を管理するのではなく、共に高いリスク感覚を共有せよ
ネット社会は意識を変えるチャンス!すべての実務者の意識改革のきっかけとすべし
さしずめ諸刃の剣といったところですが、その剣の恐ろしさをきっかけにして、現場に関わる全ての実務者と意識を共有するまたとない機会でもあると思うのです。ここで意識の転換が行われて、末端の職人までが経営者と同じ感覚で顧客に対する判断ができるようになれば、なかなか根絶やしにできないクレームを根本的に解決できる可能性があると思っています。18世紀の産業革命を凌駕するとも言われる21世紀の情報革命、前向きに捉えてチャンスに変えたいものです。
次号では地域の零細事業者でも情報発信によって価値を見出して貰える今の時代に、訴えるべき価値、地域の工務店としての存在意義について考えて見たいと思います。
神戸ハーバーランドの「ひょうご木づかい王国学校」は、訪れた誰でも木に触れてその心地よさを体験できる木育の場として、人気商業施設の中にあることも手伝い、年間2万人が来場する人気を博してきました。しかし現在、国の助成金が途絶え存続の危機を迎えています。そこで兵庫県からの要請を受けた地元工務店・建築会社が存続への活動を開始。高橋さんも中心メンバーとして、工務店の加盟金による運営に加え、存続の資金と運営サポーターをクラウドファンディングで幅広く募っています。詳しくはhttps://camp-fire.jp/projects/view/21237まで。
「ひょうご木づかい王国学校」の様子
高橋 剛志 たかはし・たけし
すみれ建築工房(神戸市)代表。大工。自身の苦しい経験から、職人が安心して将来設計を考えられる環境こそ工務店を強くすると実感。マーケティング理論を職人に教えることで、最大の顧客接点である職人自ら営業の役目を果たしてくれると実践し、広告・販促なしで5億円の売上を達成。社員向け勉強会からスタートした「職人起業塾」は、口コミで広がり他社社員、JBN阪神など多くのネットワークを巻き込む動きとなり国交省公認教育事業に認可されている。住宅に加え、 店舗設計も多く手掛ける。社員20人。
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