オーナーも社員も“納得” が好き
面白いことに、オーナーから納得住宅工房の社員になったケースも珍しくない。オーナーから社員になった人は実に6人。逆に、入社後にオーナーになった社員は10人以上にのぼる。この社内支持率の高さにも、同社がいかに顧客だけを向き、誠実に家づくりをしているかが表れている。
「我々にとってはお客様がすべてであり、お客様の一番近いところにいることに意味がある。いまどき、自分の家を建てたい人ってそんなにたくさんいるわけじゃない。そういう貴重な人たちの心が解放される空間を一生懸命つくるのが地域工務店の仕事。顧客の財布の中身だけを見て商売するハウスメーカーには決してできない仕事だと思う」。来期は注文住宅で県内一位の座を確立するつもりだ。
仲間と未来をつくりたい
久保社長は、地域工務店はライバルではなく、自分たちの「仲間」だと言い切る。「地元で頑張ってきた仲間が倒産したというニュースを聞くのは本当に寂しい。数年以内に住宅業界の再編はあり得るし、住宅会社がいまの半分くらいに減るのは避けられない。ただし、プレーヤーの数自体が減るのだから、斜陽産業などと言われる住宅業界のなかで伸びる会社もどんどん出てくる。その主役がハウスメーカーやローコストであってはならない」。
地域の家づくりを担うのは、地域の工務店でなければ——。この想いを実現するために、納得流の経営と家づくりのノウハウを「納得スタイルホーム」を通じて全国の工務店に惜しみなく伝えたいと考えている。「納得住宅工房以上に地元で愛され、成長してくれる工務店がいたら、こんなにうれしいことはない」と話す。
「オーナーから社員になって9年」
志村和哉さん
納得住宅工房 常務取締役 コンシェルジュ
——“納得” との出会いは
家づくりを思い立ち、住宅会社や不動産会社を10数社まわるなかで、こちらの希望を汲み取ろうともせずにお金のことばかり言う業界の風潮に嫌気がさしていた。たまたま訪れた納得住宅工房でその怒りをぶつけると、久保社長自らすぐに会いたいとコンタクトをとってくれた。初対面にも関わらず、私の不満を理解し、想いを代弁してくれた。そして「これからは家づくりの楽しいところだけ見てください」と、その場でこちらの希望を先回りするようなプランを描いてくれた。
——自宅の着工前に社員にもなった
前職は商社で新築営業の経験はなかったが、「まず想いを伝えなさい」と久保社長に言われ、それで気がラクになった。仕事を存分に楽しんでいる。圧倒的な家づくりをしている自負があるので、完成見学会の前日は毎回ワクワクする。
——いまはコンシェルジュを統括する立場に
初年度から初回受注率は60%以上をキープしつつ、私の場合は新規顧客にも対応している。“おべっか” を使ってムリに持ち上げる必要はない。お客様といっしょに一生懸命感動の家づくりをすれば、自然と紹介につながる。
——コンシェルジュとして心がけていることは
誠実に素直に、スピード対応。お客様からの質問や不安にはその場で回答し、社に持ち帰らない。お客様の考えを先回りする。自分がしてもらってうれしかったことを、いまはコンシェルジュの立場でしている感じだ。
Pages: 1 2
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。