矢野経済研究所(東京都中野区)はこのほど、2017年の国内ビル管理市場調査を実施した。2016年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比2.4%減の3兆7433億円の見込みとした。前年度に引き続き、宿泊施設の増加やリニューアルなど建物修繕の需要領域は好調だったが、収益性の観点で課題もあることから微減を見込む。
2017年度の同市場規模は、同3.7%増の3兆8804億円を予測する。人手不足の解消に向けた取り組みや価格交渉などが依然として課題とみられ、需要増と採算性のバランスを考慮すると、横ばい傾向での推移が継続する見通し。今後は、ビル管理のサービス品質における差別化や高付加価値を提供しながらも、採算性を重視した案件の獲得が課題になると指摘する。
そのほか、同調査に関連して同社が実施した国内の主要ビル管理事業者(171社)における法人アンケート調査結果では、長期的にみた場合の今後の事業領域について、約半数の事業者で拡大が進むとみていることが分かった。
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