国土交通省は11月6日、既存住宅の流通促進に向けて「安心R住宅」の事業者団体登録制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録規程)を公布した。12月1日施行する。また、同制度の公布とともに「住宅ストック維持・向上促進事業【安心R住宅版】」の提案募集を開始した。
「安心R住宅」制度は、耐震性があり、インスペクション(建物状況調査等)が行われた住宅で、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅に対し、国の関与のもとで事業者団体が標章を付与する仕組み。標章とそれを使用できる既存住宅の要件を国が設定し、標章の使用を希望する事業者の団体を審査・登録して許諾する。事業者は、事業者団体が設定する住宅リフォーム工事の実施判断基準などを遵守した上で、要件に適合した住宅について、広告時に標章を使用できる。
「安心R住宅」の要件は、「昭和56年6月1日以降の耐震基準等に適合するもの」、「インスペクションを実施し、構造上の不具合および雨漏りが認められず、住宅購入者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険を締結できる用意がなされているもの」のほか、「不安」「汚い」「わからない」という中古住宅のイメージを払拭するために定められる事項。登録団体の要件は、同制度の適正な運営を確保するために必要な体制および資力を有する一般社団法人等となる。
今後のスケジュールは、11月中に事業者向け説明会を行い、12月に施行。団体登録・審査を進め、2018年4月に標章使用を開始する。
また、同制度と合わせて実施される「住宅ストック維持・向上促進事業【安心R住宅版】」では、長期優良住宅、住宅性能表示、瑕疵保険、インスペクション、履歴等を活用し、住宅ストックの維持向上・評価・流通・金融等の仕組みを一体的に開発 ・普及等する取組みに対して支援を行う。
支援対象は、同制度の登録を受ける予定又は登録を受けた団体等で構成される協議会等による、住宅ストック維持・向上の仕組みの(1)開発・普及に係る費用、(2)試行に係る費用。補助上限は、前者が1事業あたり2000万円、後者が1戸あたり100万円。事業の提案申請は随時受付を行い、都度審査結果を通知する。
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