『新建ハウジング タブロイド版 10月30日号』
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空き家の利活用によるまちづくりや移住促進、林業振興など、地域課題の解決とビジネスをリンクさせるコミュニティービジネスに乗り出す地域工務店が増えている。現代の企業として、欠かせないファクターとなっている社会(地域)貢献を果たしながら、ビジネスとしての成長も見込めることが進出の理由になっている。建築の知見や技術、企画力・実務力、幅広いネットワークなど「工務店ならでは」の力を生かせるフィールドであることも大きい。
「地元のまちを元気に」との想いから始めた空き家や空き店舗のリノベーションによって、結果的に大きく業績を伸ばしているのが富山県朝日町の家印(やじるし)だ。坂東秀昭社長は、空き家と移住希望者のマッチングにも積極的に取り組む。地域貢献に注力していたら、「苦手な営業」(坂東社長)をカバーして余りあるほど地元での自社の認知度や信頼度が増し、主体事業の住宅新築までをも押し上げたというのが面白い。
建築業界で人材確保が深刻な課題となる中、同社には「地域再生に携わりたい」と県外から入社したスタッフもいる。コミュニティービジネスがもたらす波及効果だ。
香川県三豊市の喜田建材は、リノベした民泊用のゲストハウスや雑貨・建材のセレクトショップの運営などを通じて、「感度の高い人たち」のニーズ
に応えるライフスタイルを提示する。同社の喜田貴伸さんがエンドユーザー向けのビジネスを手掛けるのは「工務店さんたちにリアルな暮らしのニーズを伝えながら、当社のスキルとノウハウを共有してもらい、工務店さんの仕事を活性化することで地元を元気にしたい」という思いからだ。
岐阜県の豊かな森林に囲まれた飛騨高山では、井上工務店(高山市)を中心とする「飛騨五木グループ」が森林の健全育成や林業振興を目指して奮闘する。「日本の森がもっとワクワク」をテーマとするWebサイトやカフェの運営を通じて広く情報発信、インターン生の積極的な受け入れや、大学との連携により若者に対して、森林の大切さを伝え、森林に興味を持ってもらう間接的な「森林教育」にも取り組む。
住宅産業市場の縮小が予想される中で、コミュニティービジネスは高いモチベーションを保ちながら持続的な経営に臨む際の有望な分野。建築事業とのシナジーも発揮しやすい。
工務店の仕事が、ハコ(モノ)としての家づくりから、コトとしての暮らし提案にシフトする中で、工務店にはコミュニティービジネスをこなすポテンシャルが備わりつつある。
⇒ 続きは『新建ハウジング タブロイド版 10月30日号』4・5・6面に掲載!
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