『新建ハウジング タブロイド版 10月10日号』
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今や住宅分野の省エネ施策の中心となりつつあるZEH(ゼロエネルギー住宅)。補助金を中心に、国は普及策を強力に推し進めている。ただ、ここに来て推進策の課題も見えつつある。
国は2020年までに新築注文住宅の過半をZEHに、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現するという目標を掲げている。その達成に向けた自主的な取り組みを行うビルダーや工務店などを「ZEHビルダー」として登録制度に組み込み、ZEHビルダーによる建築をZEH補助金の要件としてきた。
ZEHの販売件数は過去3年で急速に伸びており、2016年度は3.4万戸(国による推計)に達し、ZEHビルダー登録も年度末までで5566件。9月13日現在、6166件に急拡大、登録会社が全ての住宅をZEHで建設すると新築戸建て住宅戸数の過半数に達するところまできた。
施策方針を見直し
ところが、2016年度の販売目標を達成しているZEHビルダーの割合は24%に留まる。一部の事業者が寡占的に事業を行っているだけで、一般化していない。また、太陽光発電の売電価格の低下で、住まい手側のZEHのインセンティブが薄れてきていることもマイナス要因として働く。目標達成を阻む課題も明らかになってきた。
こうした中で今年7月に設置された「ZEHロードマップフォローアップ委員会」が、2030年までを見越した工程表のフォローアップと見直しを進めている。2018年3月をめどに新たな施策の方向性をまとめる予定だ。
争点の一つが、自家消費強化型のZEHの推進。再生可能エネルギーの発電コストの低下に伴い、売電だけでなく「自家消費」が合理的な選択肢として注目を集める。再エネの自家消費率を高めるエネルギー利用が、今後最大の焦点になろうとしている。これまでのZEH提案とは異なる手法での提案が迫られている。
他方、ZEHへの取り組みに対する意識は事業者間で差が大きく、ZEHが一般化するにつれて、技術的に課題のある事業者が市場から取り残されると危惧する声が一部で上がっている。そのため業界団体を中心に普及啓発のための活動にこれまで以上に力を入れる動きもより鮮明になってきている。より分かりやすいテキストを作ったり、ビジネス的なアプローチの勉強会を開いたりと取り組みも多様になってきている。加えて、ZEH化の初期費用を抑えるための新しいサービスも始まっている。
市場環境が変わる中、ZEH普及の取り組みは新たな局面に突入している。
⇒ 続きは『新建ハウジング タブロイド版 10月10日号』4・5面に掲載!
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