YKK AP(東京都千代田区)では現在、「窓学」10周年を記念した「窓学展―窓から見える世界-」を10月9日まで開催している。
窓学は、「窓は文明であり、文化である」の思想のもと、窓を一つの学問、研究対象として位置づけ、同社が研究者や建築家とともに行ってきた研究活動。2007年からスタートし、当初は3~4名の社内勉強会から始まり、2013年には「窓研究所」を設立。現在では、1000名余りが研究会に参加し、56名の研究者や専門家、アーティストと協働する取り組みに発展した。これまで、国内外での出版、展覧会や研究会などを開催し、今年10年の節目を迎えたのを機に、その研究結果をさらに広く公開した。
見どころは、アルゼンチンのアーティストであるレアンドロ・エルリッヒ氏の窓をテーマにした新作の展示(写真上)やホンマタカシ氏によるル・コルビュジェ設計の修道院の窓辺の実寸模型など。
また、『サザエさん』『ドラえもん』など戦後の日本を代表するマンガを通して窓の役割を読み解く「窓の漫画学」、日本の伝統的な生産工程が残る塩作りや益子焼などの工房で「人とともに働く窓」を記録した「窓の仕事学」などの研究展示も興味深い。
私たちの暮らしに窓がいかに溶け込んでいるかが垣間見られ、さらにそれらを学問として研究・分析することで窓の存在を深く考えることができる展覧会となっている。
場所は、東京・南青山のスパイラルガーデン。入場無料。期間中は一般客を含め1万2000人の来場を見込む。
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