『新建ハウジング タブロイド版 9月30日号』
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ハウスメーカーが撤退した区画など、工務店が地域の住宅総合展示場に出展する動きが加速している。その狙いは、ブランド力や信用力を高めたり、商圏を拡大していくための拠点にしたりと様々だが、共通するのはハウスメーカー主体の総展の高い集客効果を逆手に取り、あえて同じ土俵に立つことで、デザイン性や素材・手づくり感といった工務店ならではの魅力を際立たせようとするものだ。
ハウスメーカーのモデルハウスと並び立つ条件のもとで、ありがちな派手なのぼり旗や垂れ幕を使わなかったり、庭を広くとって豊富な植栽を施すなどして、単独型の展示場よりさらに効果的に自社の家づくりや暮らしに対する考え方を伝えている例が多い。
OB顧客の子育てが一段落した主婦らをモデルハウスの接客スタッフにしたり、名簿獲得をあまり重視せず追客をしないなど、営業面でも、若い女性が接客対応し名簿獲得にどん欲なハウスメーカーとの差異化を鮮明に打ち出すところもある。
総展に出展している工務店からは、波及効果として「総展(モデルハウス)経由の顧客からの1棟当たりの受注単価が、ほかに比べて高い」との声も聞かれる。展示場内のハウスメーカーの価格に引っ張られる傾向があるようだ。「それまでは、なかなかミートできなかった顧客層に直接アプローチできる」メリットも大きい。
関東エリアで3つの総合展示場を運営する住宅生産振興財団はハウスメーカーの撤退について、複数のモデルハウスを展開していた企業が、エリア戦略や費用対効果の見極めによって撤退するケースが増えているとする。特に20棟以上のモデルハウスが出展する展示場で空きが多いという。
そうした影響から、総展の運営サイドでも、地場工務店の受け入れに前向きだ。これまで総展に多かった、ハウスメーカーらで構成するプレハブ建築協会の会員企業でなければ出展できないという“プレ協しばり”の廃止も広がっている。
ただ、各地で総展自体の選別淘汰も進んでおり、出展する際には、周辺の市場や経済の状況、運営会社などについて慎重な分析や調査が必要となる。出展にかかる初期費用は建築費にもよるため様々だが、ランニングコストは主要な地方都市の場合で月額100万~150万円程度のようだ。
「工務店の家」を見た総展来場者からは「こういった家づくりがあることを知らなかった」という声が上がる。それだけでも工務店が総展に出展する意義は大きい。
⇒ 続きは『新建ハウジング タブロイド版 9月30日号』4・5面に掲載!
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