総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区)はこのほど、断熱材、遮熱材、蓄熱材の国内市場に関する調査をまとめた報告書「断熱・遮熱・蓄熱市場の現状と将来展望2017」を発行した。断熱材(13品目)、遮熱材(5品目)、蓄熱材(2品目)の市場を住宅、非住宅、自動車・機器・システムなどの用途分野に分け、採用状況や使用量を分析したもの。
2016年の断熱・遮熱・蓄熱材市場は合計7178億円だった。内訳を分野別で見ると、住宅分野が4377億円、非住宅分野が922億円、両分野を合わせた建築用途としては5299億円で全体の7割強を占めた。2023年の同市場は、2016年比14.9%増の8246億円と予測する。そのうち、住宅分野は同15.3%増の5047億円、非住宅分野は同4.1%増の960億円、建築用途としては同13.4%増の6007億円と予測する。
また、2016年の同市場を素材別で見ると、断熱材が3966億円、遮熱材が3201億円、蓄熱材が11億円だった。2023年には、断熱材が同12.9%増の4478億円、遮熱材が同16.4%増の3725億円、蓄熱材が同290.9%増の43億円となると予測する。
建築用途向け市場は今後、ZEH普及や改正省エネ基準/建築物省エネ法への適合義務を背景に、断熱材や遮熱材を中心とした需要が安定的に拡大する見通し。ただし、2020年以降は新築住宅の着工戸数が減少に転じることから、断熱材は横ばい、遮熱材は微増を予想する。
蓄熱材については2020年以降にパッシブ蓄熱建材としての採用が広がりをみせ、大きく伸びるとの見通し。また、未利用熱エネルギーや再生可能エネルギーの効率的な利用における熱ソリューション材料として注目度が高いことから、今後も活発な研究開発と新規用途の増加を予想する。
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