総合マーケティングビジネスの富士経済(東京都中央区)はこのほど、再生可能エネルギー発電関連の国内市場についての調査をまとめた「FIT・再生可能エネルギー発電関連システム・サービス市場/参入企業実態調査 2017」を発行した。
再生可能エネルギー発電システムの累計導入量は、2017年度末で約6500万kW、2025年度末で1億654万kWに拡大する見通し。FIT開始前の2012年6月末では、FIT対象となる各種発電システムの累計導入量は約2000万kW。そのうち水力が5割弱を占めたが、FIT開始後は太陽光を中心に導入量が急増。2017年度末では7割超が太陽光となっている。
2017年度のFIT関連発電システムの新規導入市場は2兆894億円となる見通し。太陽光が8割を占める一方、風力、バイオマス、水力、地熱の割合は前年度から増加する。2025年度の市場規模は、今後の太陽光の市場縮小により2017年度比6割弱となる1兆2061億円まで縮小するとみられる。
太陽光発電システムの新規導入市場は2025年度に2600億円規模となる見通し。2019年度に買取価格24円/kWhへの引き下げが決定されていることなどにより、2016年度比で7割以上の縮小が予想される。また、機器コストの低下により、これまでの売電収益モデルから自家消費による光熱費削減へのマインド変化の影響で、10kW未満を中心に自家消費モデルが増加することが見込まれる。
そのほか、太陽光発電システム関連サービスの市場規模は、2025年度に2016年度比90.4%増の3729億円と予測する。遠隔監視サービス、メンテナンスサービスなど、既設システムを対象とした関連サービスの需要増加が期待される。将来的には、パネルの発電機能低下箇所や故障箇所を赤外線サーモグラフィとマルチコプター(ドローン)を用いて短時間で一次検出するパネル診断サービスや、AI機能搭載で無人で作業を行う自動草刈機による草刈サービスなどが需要を獲得するとみられる。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。