地球の会NPO法人環境共棲住宅(以下地球の会)は7月21日、『木の家 設計・施工フォーラム発足総会』を開催、会員工務店と建築家の協業展開を開始すると発表した。
協業内容は「建築家と地球の会工務店の事業連携制度」「木の家づくり事業プロポーザルコンペ」「若手設計者の施工技術スキルアップ研修会」の3項目。
事業連携制度では、建築家との契約方式をあらかじめ3種類に定め、スムーズな協業展開を図る。特に設計料が比較的安価な契約方式2・3は、「若手の登竜門」として若い建築家の活躍を期待。建築家は同フォーラムへのエントリー時に1~3の契約方式から連携方法を選ぶことができる。
プロポーザルコンペは、土地が決まり具体的な提案の検討段階に入っている戸建住宅案件を会員工務店から募って実施するもの。案件募集は随時行っており、現段階ですでに5件の応募があるという。
スキルアップ研修会は、建築家と工務店が互いの仕事を知り相互に理解を深め、懇親会を通して親交を深める場で、年3回開催する。
今回の協業展開について、地球の会の安成信次理事長(安成工務店代表取締役)は「国内で建てられている戸建住宅の4棟に1棟は3500万円以上の高額住宅だが、地域工務店は設計力に弱みがある点も影響し受注できていないのが現状。本フォーラムで新しい連携の形を見いだし、工務店が受注できるようにしたい」と意欲を示した。
建築家側の発起人の横内敏人氏(横内敏人建築設計事務所)は「大手ハウスメーカーには社内コンペなど勝ち上がった人のみが高額案件を担当できるというしのぎを削るシステムがあり、工務店には横のつながりを持ち勉強会を開きながらどんどん力を付けていく環境がある。住宅雑誌も売れなくなってきている昨今、若手建築家は自身の宣伝方法を失い、このままで大丈夫なのかと危うさを感じた。何回も会合を重ねようやく実現可能となった本システムを今後もより良いものにしていきたい」と意気込みを語った。
構想から約2年がかりでようやく実現にこぎつけた。互いの不足部分を補い合う相補関係を継続するため、今後も互いに尊重し合い、ベストな方法を練り上げていく。
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