サンワカンパニー(大阪市北区)はこのほど、自社商品でフルリノベーションした築49年の空き家を、無料貸し出しスペースとしてオープンした。物件は、半年後に取り壊されることが決まっており期間限定の貸し出しとなる。同社では深刻化する空き家問題への取り組みとして南青山、外苑駅前徒歩5分という一等地に立つ本物件を足がかりに今後、全国で同様な取り組みを行っていく。
「HOUSISTA RENOVATION ROOM(ハウシスタ リノベーション ルーム)」と名付けられたこのリノベーション・プロジェクトでは、住空間のコーディネートをおしゃれにおこなう「HOUSISTA(ハウシスタ)」の存在が重要になる。「HOUSISTA(ハウシスタ)」は、同社が作った造語で”住空間をおしゃれにコディネートする人(プロデューサー)”の総称。本物件では、ファッション雑誌「VERY」の専属モデルの滝沢眞規子さんがハウシスタとなって、空間デザインやコーディネートを手掛けた。「住空間を自分らしく素敵にコーディネートしたりアレンジして作り上げていくのはとても楽しく、ワクワクしながら空間作りをプロデュースできた」と滝沢さん。
「日本人の『住』に対する興味や関心は、衣・食と比べると低い傾向にある。この意識を社会問題化している空き家を使って変えていきたい」とサンワカンパニーの山根太郎社長はこのリノベーション・プロジェクトの核心について語った。住への意識、ライフスタイルへのこだわりをもっと持ってもらい、空間をより快適に楽しく作り上げていく中で豊かな暮らしが育まれる。その空間作りの楽しさを発信し、「家を魅せる」文化の創造という役割をハウシスタに担ってもらう。
今回、施工はリノベーションの設計・施工を手掛けるcoto(東京都目黒区)、物件の選定などのコーディネートはツクルバ(東京都目黒区)が行った。2020年までに、不動産・賃貸オーナーがハウシスタになってリノベーションした物件を全国で100物件施工することを目指し、今後は各地域の工務店とも協業しながら展開していく考えだ。
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