日本木造耐火建築協会(木耐建、木村一義会長)は2017年度の事業として、耐火木造部材を用いた「木造耐火建築物設計マニュアル」を整備する。6月27日に都内で開いた総会で明らかにしたもの。主要構造部材の全てで木造耐火構造の大臣認定を持つシェルター(山形市)の「クールウッド」により都市型の中高層木造建築の普及に挑戦する。
「木造耐火建築物設計マニュアル」は、東京都市大学の大橋好光教授が編集委員長として国交省の助言を得て編集するもので、各主要構造部の耐火構造認定の一覧と仕様の詳細のほか、その運用方法や他の部材との併用方法、高層建築物での留意点、これまでの設計事例や標準仕様などがまとめられる。特筆すべきは、シェルターが年内の耐火構造認定の取得を目指す柱、梁の3時間耐火も設計仕様に含まれることだ。
木耐建は木造耐火構造の大臣認定を持つ企業や団体からの委任などでその運用を通じて木造耐火構造の普及を図るために昨年一般社団法人化された団体。
木村会長は「この一年は日本の木造耐火技術にとって目覚しい開発の年となった。現在はシェルターからの委任だけだが、今後は他の技術についてもマニュアル化で普及を図っていく」として、特定の技術に限らず都市型の木造高層建築の実現に道筋を付けたい考えだ。
総会・懇親会には、来賓として吉野正芳復興大臣、今井敏林野庁長官が参加して、木造高層技術のオープン化に期待を述べた。
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