ポラスグループ(埼玉県越谷市)が主催する「第4回ポラス学生・建築デザインコンペティション」の公開審査会が6月29日に開催された。
最優秀賞には日本大学大学院の永田琴乃さん、横浜国立大学大学院の稲葉来美さんによる「生きる蔵を手伝う家」が、優秀賞には近畿大学大学院の笹尾浩二さんによる「路に住まい、路と暮らす町」が選ばれた。
今回のコンペのテーマは「土蔵をつつむ今、今をつつむ未来」。もともとは防火を目的につくられた土蔵を残しつつ、過去・現在・未来が重なり合う町のアイデアを募集した。
応募登録総数387件のうち、第1次審査を通過した作品5点が同日にプレゼンテーションなどを実施。最終審査は各審査員持ち点6を1~3位の順位に応じて投票する方式で受賞作が選ばれ、最終選考に残った5組と佳作の5組が表彰された。
2位以下に大きな点差をつけ最優秀賞に選ばれた永田さん、稲葉さんは「人とは異なる生き物と暮らすことに面白みや可能性があるのではと考えた。長い時間軸の中で日常の中にささやかな喜びを見つけられるような提案が評価され、このような結果に終わることができうれしい」と喜びを表した。
審査員長を務めた青木淳氏(青木淳建築計画事務所)は「自分のアイデアを模型などを通して表現すると、逆に建築物から意味が発生する場合がある。“建築から教えられる”というフィードバックを行うことが重要。今回も結果的には意図通りではなく過剰あるいは違った意味が生まれつつあるものが最優秀賞に選ばれた。今後もそういった意味を持った建築をつくってほしい」と期待を寄せつつ、会場の学生たちにエールを送った。
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