『新建ハウジング タブロイド版 6月20日号』
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人手不足が深刻化する中で、生産性向上は住宅産業を含む建設業の大きな課題だ。国は建設産業の将来を見据えた政策の中で、生産性向上に向けた具体的な施策として、技能労働者の多能工化の普及を挙げる。
そんな中、住宅産業でもリフォーム工事などから、多能工化への取り組みが広がっている。地域の工務店など、小回りのきく中小規模の会社の多能工化へのアプローチは多種多様だ。
新潟県新発田市の大堀商会は、水まわりリフォームを主力事業とし、その担い手として早くから技術社員の多能工化に取り組んできた。社長の大堀正幸さんは「多能工化の狙いの本丸は若手のモチベーションアップ。働き方改革とワンセットで取り組むのが必須」と持論を語る。多能工に適正な技能評価の仕組みを当てはめることで若手のやる気を引き出し、多能工化によって生産性が向上して増えた利益は、社員の待遇アップに還元する。
職人学校『リノベーションカレッジ』を開設したマンション改修・再販のインテリックス(東京都渋谷区)が育成するのは、高いコミュニケーション力を持つ「マルチリノベーター(多能工)」だ。「腕(技術)よりも現場で即断できる対応スキルが重要」と、新しい職人の在り方を業界に投げ掛ける。
タイプは違うが、住宅建築の生産性向上などに詳しい芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授も多能工の新たなイメージを示す。複数工種をかけもつ、これまでの想定されてきた水平展開型に加えて、大卒の社員大工が設計・積算から現場管理、顧客対応までをも手掛ける垂直展開型の導入も積極的に検討すべきと訴え。
岩手県盛岡市の杢創舎では、社長の澤口泰俊さんの人と技術を大切にする経営方針のもとで、自然と多能工化が進んだ。例えば建具・家具の製作技術は、廃業を考えていた地元の職人(兼経営者)を社員として迎え入れたところから、自社の大工たちに伝わった。同社の広大な加工場は、鉄筋や左官、板金の作業スペースも備える。家づくりに携わる人と技術が集い、次の世代へと継承していく。同社の多能工の在り方は、人材不足がより深刻な地方の中小工務店のモデルになり得る。
⇒ 続きは『新建ハウジング タブロイド版 6月20日号』4・5面に掲載!
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