日本ログハウス協会(東京都港区)はこのほど、平成29年度ログハウス建築コンテストの入賞作品を発表した。応募件数62件の中から、ログハウス大賞となる国土交通大臣賞には北陸リビング社(石川県能美市)の「多世代共生型施設(みんなで笑顔木のおうち)」(樹種:スギ)が、農林水産大臣賞には野口住宅(長崎県大村市)の「次世代へ継承」(樹種:ヒノキ、スギ)が輝いた。
「多世代共生型施設(みんなで笑顔木のおうち)」は、石川県産のかが杉を使った二階建てのログハウスで面積670m2の複合施設。施設内には児童デイサービス、接骨院、リハビリトレーニング室、カフェ、ベーカリーショップがあり、訪問看護ステーションの機能も備えている。授賞式には施主の施設経営者、兼氏浩子さんも来場した。兼氏さんは、「住み慣れた地域で誰もが気軽に集える場所を作りたかった。ここでなら何でも話せる、という癒しの空間を作るには木の香りやぬくもり、温かさが感じられるログハウスが最適だと思った」と施設をログハウスにした理由を語った。その思いを裏付けるようにオープン初日には地元の住民1000人あまりが来場した。
北陸リビング社の北出社長は、ログハウスを基幹事業にしている同社にとって施設の建築自体はさほど難しくなかったと言い、ただ「今回は住宅ではないため、提出書類の種類やその申請場所が複数にわたりその事務手続きが大変だった」と、内情を明かし笑みをこぼした。
優秀賞にはマルアサ工房(長野県小県郡)の「離れの仕事部屋」(樹種:スギ)とTALOインターナショナル(東京都世田谷区)の「海辺の檜ログハウス」(樹種:ヒノキ)が選ばれた。「離れの仕事部屋」は、ブームになりつつある「タイニーハウス」をログハウスで実現した。
同協会の中川信治会長は、今回注目すべき点として、受賞作品15件のうち11件が国産材を使用した作品だったことを挙げた。「来年は応募件数100件を目指し、さらなる日本の木材振興につなげて行きたい」と語った。
受賞作品は近く同協会のホームページにて公開される。
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