②所得の大幅増
一次取得者が増加したとしても、所得が上がらない限り住宅産業に従事するわれわれにとって魅力的な市場とはいえません。国民の豊かさを示す指標の一つである1人あたりGDPを比較すると、現在のアジア各国は日本の1960年代後半~1970年代後半の豊かさであるといえます(図2)。
一般的に1人あたりGDPが3000ドルを超えると家電など耐久消費財が普及し、5000ドルを超えると自動車や家などの普及が進むといわれています。一般層に家が普及するにはもう少しGDPが伸びる必要がありそうですが、今後のGDPの伸び率を考えると、一般層に家が普及するのもそう遠い未来の話ではなさそうです。各国の国民の年収は堅調に伸びており、平均世帯年収も100万円に迫っています。
また、東南アジアは貧富の差が激しく、上位20%と下位20%では10倍以上の年収格差があり、上位20%に絞ってみれば200万~300万円近い世帯年収があり、日本の平均年収に迫る勢いです。事実、土地建物価格で1億円を超える物件も人気となっているのです。
以上2点を見ても、今後東南アジアを中心とした海外には大きなチャンスが眠っていると言えるでしょう。チャンスをつかむのは、市場が爆発的に成長する前にチャレンジし、先駆者利益を取った者だけです。そのため、「今」がチャレンジをすべきタイミングと、多くの地域ビルダーが海外展開に目を向けているのです。
徳安良太
大手税理士法人を経て、現職。理念策定・浸透、戦略策定・実行、人事評価制度策定・運用など幅広いコンサルティングに従事。海外展開企業を対象にした勉強会「海外展開ワーキンググループ」を2015年に立ち上げて、以降、企業の海外進出支援に注力している。6月26日から今後の海外展開を検討している方を対象に「ASEAN・豪州進出の勉強会」を実施予定。詳細は同社の住宅・不動産部門HP(http://www.libcon.co.jp/handr/)参照
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