大和ハウスグループのフジタ(東京都渋谷区)はこのほど、建設現場に生息する動植物の情報をスマートフォン等のGPS機能付き携帯情報端末を使用して管理する動植物管理手法「いきもの見聞録」を開発した。
「いきもの見聞録」は、建設現場で見つかった希少種や外来種などの動植物の情報(生物名、出現位置、生息状況、保全対策の必要性とその内容、画像など)を、現地で携帯情報端末のインターネットとGPSを使用してサーバーに送信・保存し、地形図や衛星画像上にわかりやすく表示するオンライン地理情報システム(GIS)。現場職員はGIS上で「いきものDB(データベース)」、「環境保全ルールブック」などの環境保全に必要な基本情報を閲覧し、環境専門スタッフと情報を迅速に共有・相互補完できる。
工事中も動植物を随時監視・記録し、携帯情報端末のGIS上で動植物の位置を現地で特定できるほか、GIS上で希少種か外来種が一目で見分けられ、保全対策の必要性とその内容も確認可能。さらに、植物などを面的にGIS上に記録し、施工段階でCAD図や航空写真に反映できるようにしたことで、工事場所ごとの適切な保全対策が可能となっている。
同社は今後、動植物の保全が重要な建設工事やビオトープのモニタリングだけでなく、作業員への環境教育などにも同システムを活用し、低コストで効率の良い自然環境の保護や生物多様性の保全を目指す。
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