新建新聞社は6月22日、地域で活躍する工務店8社の経営者を招き、各社が現在挑戦している取り組みを共有する「工務店経営カンファレンス2017」を開催する。
新建ハウジングDIGITALでは、登壇者のインタビューを集中連載する。
オフィスHanako 代表取締役
渡辺 さゆり 氏
2011年創業。「女性建築士と造るハナコの家」でブランディングを図り、女性ならではの提案をキラーコンテンツとしながら性能面でも高いレベルの住宅を提供する。
起業する女性が増えれば
この業界は、もっと面白くなる
女性(主婦)目線の家づくりの大切さが盛んに叫ばれていますが、住んだ後の暮らしやすさや使いやすさなど、本当の意味で実践できているでしょうか。工務店で営業からプランニング、設計・現場管理など一通りこなしながら、「女性のための家づくり」を訴え続けましたが、現場の事情優先でことごとく跳ね返されました。そんな中で「真の意味で女性に寄り添った家づくり」の理想に挑戦してみたいと、Hanakoを立ち上げました。
理想の実現めざし起業
理想の実現のために「やれることはやり切る」と決め、スタッフを全て女性にしました。「メンズハナコ」と呼ぶ男性3人の社員大工を除くと、役員から営業、設計、現場管理まで13人の社員が全て女性です。
女性に徹底的に寄り添う当社にとっての他社との差別化の最大の武器は、女性スタッフが考える間取りや家事動線です。お客様と生活環境や気持ちが重なる女性のスタッフがヒアリングし、さらに社内で女性スタッフ同士が議論して練り上げるプランは、どこにもまねできません。うれしかったのは、OBの皆さまにアンケートでHanakoを選んだ理由を聞いたところ、1位が「スタッフ対応」、2位が「間取り(動線)」だったことです。自分たちが掲げる理想を、お客様はしっかり感じ取ってくれているんだと実感できました。
社員が輝く「夢の器」つくる
女性に寄り添った家づくりと同じくらい経営者である私にとって大切なミッションは、「いつ、いかなる状況でも女性が働きやすい会社」であること。会社は、社員が自分の夢を実現するための「夢の器」です。社員が、いつも楽しくキラキラと輝いて働いていなければ、会社の成長はありません。家づくりと同様、真の意味で女性に寄り添った働き方を構築します。できることから始めようと、社内に設けた社員満足委員会を中心に、昼食代全額会社負担の社員食堂や事務所内でのヨガ教室開催によるリラクゼーションなどの活動をスタートしました。フレックス制の有給休暇や育児・教育、介護のフォローなど、今後どんどん拡充していく考えです。
OBを含むお客様の満足度をさらに高め、より大きく地域に対して貢献し、そして社員が輝いて働ける環境を維持するため、2020年までに年間新築受注40棟を目指します。スタッフも増やしていて、今の事務所が手狭になってきたので、来年中には新事務所をオープンする予定です。今後、広がるリノベーション需要も見据えたモデル的な施設にもしたいと思っています。
工務店業界は、もっとたくさんの女性が活躍したら、もっと面白い業界になると思います。起業する女性が増えることは、業界全体にとって、きっとプラスになるはずです。自分たちの存在が、そうした女性が増えていくきっかけになればうれしいです。
工務店経営カンファレンス
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