昨年、工務店13社による半年間の期間限定展示場「かがわ家博」を成功させた香川県の工務店グループ。その代表を務めたのがファンホーム(高松市)の藤沢裕一社長だ。ファンホームは、リゾート空間を提案するデザイン力の高い住宅をブランドに変えて、高額受注を獲得している。さらなるブランド力強化のために同社が今、取り組んでいるのがICTによる社内のレベルアップだ。
「リゾート空間」を意識し、非日常の体験ができる住宅をコンセプトにする。「快適なリゾート空間こそが私たちの求める住宅。そのためにはコンセプトだけ先行では伝わらない。性能的な裏づけがあるから、芯の通った説明ができる。例えば、大空間には全館空調、大開口には高い気密性など、必然的に高い性能が必要になる」。リゾート空間を軸に、住宅の理念をまとめ上げている。
平均請負金額は3000万円。この数字は意図的に目指してきた。施主の高い満足度を示す数字だ。
こうだと思う住宅以外は発信しないようにしている。素材も固定化した。「コンセプトが尖がってないと工務店はダメだ」と、藤沢社長は強調する。
藤沢社長は、所属する団体の研修や建材の視察など、県外だけでなく海外まで頻繁に出かけるため、会社にはいないことが多い。情報の共有は大きな課題だ。藤沢社長だけでなく、誰もが同等の説明をできなければ満足度は下がってしまうと、ICTを使ったコミュニケーション強化に力を入れている。
「スタッフだけでなく、自分でも補助金の細かい要点までは確認できていないこともある。それが常に最新の状態に更新され、スタッフ間の情報も共有できる」。たとえば、社員が参加した外部セミナーの内容もシステムを使って共有している。
「一つひとつのことを見ると画期的ではないかもしれないが、あるものを組み合わせたり、自分たちで更新していける点はICTシステムの使いやすいところ。社内や業者に対しどこにいても同じ情報量で、同じ発信ができることが理想だ」
コンセプトを磨くなど、意識してきたブランディングが、ICTの活用により次のステージに進んでいる。
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