LIXIL(東京都千代田区)はこのほど、高性能ハイブリッド窓(室外側にアルミ、室内側に樹脂を採用)の防火戸仕様を開発した。東日本地区では4月1日より販売を開始した。西日本地区でも6月1日から販売を開始する。
新製品の高性能ハイブリッド窓「防火戸FG-L」の最大の特徴は、徹底したコストダウンにより、アルミ構造の防火戸と同等価格を実現したこと。単体引違い窓、網入透明Low-E複層ガラス(サイズ:W1690mm×H1370mm)が24万1800円となっている。
断熱性能は、3.49W/m2・K(H-3等級)から2.33W/m2・K(H-5等級)へとアルミ構造防火戸よりも1.5倍に向上した。さらにデザイン的にもフレームをスリム化したことでガラス面積が大きくなり眺望が良くなった。室外側がアルミ構造なので耐久性や耐候性にも優れる。
昨年6月に発売した高性能ハイブリッド窓「サーモスL」は、価格をアルミ窓(複層ガラス)並みに抑えたことで、当初の目標を上回るハイペースで好調に販売を伸ばしているという。実際、「サーモスL」の発売を境に同社の高性能窓(樹脂窓+ハイブリッド窓)の比率は一気に伸び、2016年度には窓全体の売り上げの54%を占めるまでになった。
高性能住宅の全国的な普及を推し進めるためには高性能窓の普及が必要不可欠だとするLIXILでは「窓事業戦略」を策定。「2020年に高性能窓の普及率を70%以上にする」という目標を掲げ取り組んできた。そして、「サーモスL」の順調な普及により、目標達成が現実的なものとなってきた今、最後の砦となったのが、窓需要の高い住宅が密集する防火・準防火地域、特に東名阪エリアへのハイブリッド窓の投入だった。
今回発表した「防火戸FG-L」は、そのための戦略的な商品。必須だった「価格をアルミの防火戸並みに抑える」ことを実現したことにより、加速度的な全国普及が見えてきたとし、高性能窓の普及率目標を「2018年に70%以上」と目標達成時期を早めた。「この商品で高性能住宅化への新たな大きな流れが生まれる」とLIXILサッシ事業部の木村弘一事業部長は力をこめる。
防火・準防火地域へのハイブリッド窓の投入を「高性能窓戦略のラストピース」と位置付けていた同社では、「これですべてのピースが出そろった」(木村弘一事業部長)と、全地域にハイブリッド窓以上のラインアップをそろえ、一気に高性能窓を全国に浸透させる考えだ。
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