一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会は3月24日、既存住宅のインスペクションに関する新たな講習の開催概要を発表した。同講習は国の規定による「既存住宅状況調査技術者講習」として登録されている。
今まで行っていた既存住宅現況検査技術者講習との大きな変更点は、受講対象者が建築士(一級、二級、木造)に限られたこと。また、資格有効期間が従来の2年から3年になり、3年ごとの更新になった。今後、同協会では、従来行っていた既存住宅現況検査技術者講習は行わず、既存住宅状況調査技術者講習に切り替えていく。
2018年4月施行予定の改正宅建業法では、インスペクションが法的に位置づけられている。今回の講習は法律の内容にそったものとなっている。
講習は、移行講習と新規講習の2種類。同協会の既存住宅現況検査技術者と長期優良住宅化リフォーム推進事業のためのインスペクター講習団体の講習を修了した者は、移行講習を受講する。それ以外の初めて講習を受ける受講者は、新規講習を受講する。
現在、約1万2000人超が既存住宅現況検査技術者として登録されているが、同協会では、受講対象となるすべての建築士に新たな既存住宅状況調査技術者への移行を促し、移行と新規を合わせ1万人以上の受講(修了者)を目指す。
移行講習は47都道府県で86回、新規講習は45都道府県で52回実施。まずは移行講習として5月9日より大都市からスタートする。新規講習は、5月30日スタート。申し込みは、3月24日より同協会のHPから行える。両講習とも地方都市に関しては、日程が決まり次第HP等で公表する。
同協会の後藤博代表理事は、「講習を通じて既存住宅の売買時に行われる建物状況調査を広く普及し、消費者が安心して中古住宅を購入できる環境を整え既存住宅流通市場の更なる拡大に寄与したい」としている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。