国が掲げる2020年に新築住宅の半分をZEH(ゼロエネルギー住宅)にするという目標が迫ってきている。すでにハウスメーカーではめどを立て、積極的に高性能化を進めている。パワービルダーもZEH化に取り組み始めており、市場の標準となる日もそう遠くはない。こうした市場の変化を背景に、LIXIL(東京都千代田区)は4月から、これからZEHに取り組もうとするビルダー・工務店などを対象にZEH設計サポートの提供を開始。仕様策定から第三者認証「BELS」の取得まで事業者の要望に合わせたメニューで、ZEH対応を支援していく。
LIXILは、高性能住宅を中心とした設計サポートサービスを2006年にスタート。耐震等級3の設計、長期優良住宅や高断熱化などの市場の変化に合わせて、ビルダー・工務店の設計業務を支えてきた。
今回、LIXILがZEH設計に特化したサポートサービスを始めた背景には、中・小規模事業者がZEHになかなか取り組めていないことがある。
2016年4月に経済産業省のゼロエネルギー住宅向けの補助事業の要件のひとつとして始まった、ZEHビルダー登録制度 。これまでに約5600社の工務店・ビルダーが登録し、2020年までに自社で提供する新築住宅(戸建てのみ)の過半数をZEH化することを宣言している。ただ、実際に補助金を申請している事業者は2割程度。約8割の事業者は、登録はしたものの取り組めていないというのが実情だ。背景にはZEHに必要な計算や書類作成の煩雑さなどがあると考えられている。
初めてのZEHでもていねいに支援
LIXILのZEH設計サポートは、これからZEHに取り組もうと考えている事業者にもていねいに対応するメニューを設定しているのが特徴のひとつ。一般的な設計サポートサービスは、事業者が持ち込んだプランの基準クリアの可否を判定して返すだけのものが多い。これに対しLIXILのサポートサービスでは、「簡易ZEH判定・アドバイス」として、ラフプラン段階の実物件や参考モデルプランなどに対し、簡易外皮計算、一次エネルギー消費量計算、ZEH判定を実施し、基準がクリアできない場合には、クリアするための仕様の変更アドバイスを盛り込んで返す。
これまで取り組んだことがない事業者でも、アドバイスを基に自社の仕様を見直せばZEH仕様が策定できる仕組みだ。判定書は必要書類がそろってから稼働約5日でできる。
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