一般的住宅と比べて冷暖房エネルギーを大幅に削減しながら、居住者の快適性や健康、空間デザインの美しさまでを備えた住宅を表彰する「エコハウス・アワード 2017」を開催。主催する一般社団法人パッシブハウス・ジャパンが17日、年次総会に合わせて東京都内で表彰式を開催した。
今回大賞に選ばれたのは「倉敷の家」(建築地:岡山県倉敷市/設計施工:倉敷木材)。一般的に断熱意識が高くない温暖地で、一般的住宅でも使われているグラスウール断熱材、国産の樹脂サッシや換気システムなどを駆使することで、寒冷地でも6畳用エアコン1台で延床120m2程度の家全体の暖房を賄える「パッシブハウス」仕様を延床30坪・2500万円で実現したことが高く評価された。
代表理事の森みわ氏は、「遠く海外から部材・設備を輸入して力づくで建てる特殊住宅ではなく、誰でもどこでも手に入る部材をうまく使いこなし、パッシブハウスを実現されたことの意義は大きい。次に続くつくり手に大きな勇気を与えてくれる」と受賞を称えた。
このほか部門賞は以下の通り。
・パッシブハウスゾーン優秀賞:「大間の家」
(建築地:愛媛県松前町 / 設計:キーアーキテクツ 施工:アーキテクト工房pure)
・パッシブハウス・ジャパン 推奨ゾーン優秀賞:「Real ZEH 能代の家」
(建築地:秋田県能代市 / 設計:西方里見 施工:池田建築店)
・地域トップランナー基準優秀賞:「国見ヶ丘の家」
(建築地:宮城県仙台市 / 設計:菊池佳晴 施工:キクチ)
・意匠賞:「葉山・傾斜地の家」
(建築地:神奈川県葉山町 / 設計:エイチ・ツー・オーデザインアソシエイツ 施工:大同工業)
・リノベーション賞:「稲沢の家」
(建築地:愛知県稲沢市 / 設計:Eee works 施工: モリケン)
・ウェブ人気賞:「札幌の家」
(建築地:北海道札幌市 / 設計施工:棟晶)
一次審査を通過した住宅リストはこちら。
今回初の試みとして、同団体の運営する「建もの省エネx健康マップ」にもエントリー作品が事前表示され、一般ウェブ投票の際に”エコ”性能を判断する指標となった。
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