積水化学工業(大阪市北区)住宅カンパニーはこのほど、太陽光発電システム(PV)とホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)搭載住宅のゼロエネルギー達成度と蓄電池の運転実績を調査した。2015年中に入居済みのセキスイハイムのうち、2658邸の2016年の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析したもの。
ゼロエネルギー達成度調査では、PV搭載邸の65%がゼロエネルギーを達成していた。内訳は「ZEH相当邸」が25%、「家電込みゼロエネルギー邸」が40%。「家電込みゼロエネルギー邸」の電力量収支はマイナス3341kWh(中央値)、光熱費収支は約17.6万円のプラスだった。また、「ZEH相当邸」と「家電込みゼロエネルギー邸」のゼロエネルギー達成邸ではほとんどが光熱費ゼロ以下、「Nearly ZEH相当邸」では約4割が光熱費ゼロ以下となっていた。
蓄電池搭載邸の運転実績調査では、経済モード(経済優先モード:深夜電力を充電し朝晩に放電)による実際の運転実績値と、グリーンモード(自立優先モード:PVから充電し、夜から朝に放電)による消費電力量、発電量の年間実績に基づく試算値を分析。
その結果、経済モードでは、放電量試算結果が中央値で1401kWh、容量あたりの放電量が201kWh、平均稼働率が約65%となったのに対して、グリーンモードでは放電量試算結果が1750kWh、放電量が251kWh、平均稼働率が約80%となり、経済モードより蓄電池を活用できることが分かった。また、グリーンモード運転の場合の電力自給率は45%となり、蓄電池なしの場合に比べて22%向上することが分かった。
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